散歩の途中で、向こうから犬が歩いてくる。そのとき私がしていたのは二つだけでした。挨拶できそうな相手なら、飼い主さんに承諾をもらってから挨拶させてもらう。合わないと感じた相手なら、近づけずに避ける。その二つを、私はすれ違うたびに使い分けていました。
向こうから犬が来るたび、行かせるか止めるかで足が止まる。そういう散歩をしている方が読み手です。ただし、合う合わないをどこで見分けていたのかは、私の中に残っていません。相手がどんな犬種だったかも、何頭と行き会ったかも、当時は記録していませんでした。ここに書けるのは、その二つの行動と、避けたときに何が起きていたかまでです。
コーギーのサラと暮らしたのは2009年11月から2020年12月までの11年で、散歩の道はたいてい河川敷でした。犬の行動を見立てる資格は、私にはありません。獣医師でもなければ、しつけを教える側にいたこともない人間です。だから、この先に出てくるのは見分け方ではありません。見分けがつかないときに、こちらがどう動いたかです。
同じ場面でも、犬の性格やその道の狭さで、取れる距離は変わります。この記事の順番が合わない道もあります。記録をまとめたのは2026年9月です。
✅ この記事でわかること
- 挨拶させる前に、飼い主さんへ承諾をもらっていたという順番
- 合わないと感じた犬を避けていたことと、そのぶん起きなかったこと
- 承諾が返ってこない場面で、いま私ならどう通り過ぎるか
- すれ違いの場面に、家から持ち出せる二つ
挨拶できそうな相手にだけ、飼い主さんの承諾をもらってからの挨拶
向こうから犬が来たとき、私がまず見ていたのは犬ではなく、その先を歩いている飼い主さんのほうでした。挨拶できそうだと見えた相手には、飼い主さんに承諾をもらってから、サラを近づけさせてもらっていました。私がしていた順番は、承諾が先で、挨拶はそのあとです。
どんな言い方で頼んでいたかは残っていません。ここから先は、これから私が頼むとしたら、という形で書きます。相手の飼い主さんに、近づけても大丈夫ですかと尋ねる。返事をもらってからリードを緩める。長い会話にはしません。
これから同じ場面に立つ方は、犬より先に人のほうを見るのが安全です。連れている犬が行きたがっていても、向こうの家の事情はこちらから見えません。人の側の返事を受け取ってから距離を詰めるほうが、順番として無理がありません。
すれ違いの場面を、当時の行動で三つに分けると下のようになります。右端の列だけは当時のものではありません。いま同じ場面に立ったら私がどうするかを書いています。
| 向こうから来た相手 | 我が家がしていたこと | いま同じ場面に立ったら私がすること |
|---|---|---|
| 挨拶できそうだと見えた犬 | 飼い主さんに承諾をもらってから、挨拶させてもらった | 相手の足が止まったのを見てから、こちらから一言かける |
| 合わないと感じた犬 | 近づけずに避けた | 距離を詰めないまま、そのまま歩き続ける |
| 承諾が返ってこなかったとき | —(記録が残っていません) | 理由は尋ねずに、その場を通り過ぎる |
三行目だけは、右端に書いたことしか手元にありません。返事が来ないまま行き過ぎることになりますが、なぜ返事がなかったのかを確かめに戻らない、というのがこの行の要点です。人の行き来が多い道や、会う相手が毎回入れ替わる場所では、この三つの分け方では足りないこともあります。
こうしたすれ違いの挨拶を重ねたあとで、複数の犬が同時にいる場所へ進んだ日のことは ドッグランデビュー|社会化が完了してから連れて行った我が家の判断 に分けて書きました。
合わない犬を避けた11年で減っていったもの
合わないと感じた犬は避けました。近づけないまま、そのまま歩き続けます。犬の姿が見えると、サラのほうは行く気になっていることが多い子でしたから、止めていたのはいつも私のほうでした。
その私の側にあった線が、どこに引かれていたのかは取り出せません。体格だったのか、相手の動きだったのか、その日の空気だったのか。避けたという結果だけが残っていて、理由は当時も言葉になっていませんでした。
それでも、基準を持てないまま動くことはできます。合わないと感じたら、その場で立ち止まらずに歩幅を保って通り過ぎる。それで足ります。こちらが止まると相手も止まり、そのぶん二頭の距離が縮みます。
避けたぶん、その相手との挨拶は起きませんでした
避けると決めた相手とは、その日の挨拶が起きません。サラの側から見れば、行けたはずの一頭が減ったということです。私は安全のつもりで止めていましたが、止めた数だけサラの世界を狭くしていたのだと、いま振り返ると分かります。減っていたのは犬同士の挨拶だけではありません。相手の飼い主さんと言葉を交わす機会も、そこで一緒に消えていました。同じ場面で迷う方がいたら、避けるという選択の側にも失うものがある、とだけ頭の隅に置いてみてください。
ただ、取り返しがつくものでもあります。同じ道を歩いていれば、避けた相手とは別の日にまた行き会います。そのときの様子が違って見えたら、あらためて承諾をもらいに行くこともできます。一度避けた相手を、避け続ける相手として固定しない。次に会ったとき、また一から見ます。
承諾が返ってこないときは、立ち止まらずに通り過ぎるのが安全です
向こうの飼い主さんが急いでいることもあれば、犬を引き寄せて距離を取る方もいます。ここから書くのは、いま私が同じ場面に立ったらどうするか、という話です。
返事がない、あるいは向こうが距離を取った。そう見えたら、理由は尋ねません。そのまま通り過ぎます。向こうにも事情があり、こちらから確かめる筋合いのものではありません。断られたと受け取る必要もありません。
もうひとつ、相手の犬にもうちの子にも、いつもと様子が違って見えるところがあれば、承諾があっても近づけないという選び方が残ります。触れ合ったあとで気になるところがあったときは、こちらで判断せずに獣医師へ相談してください。
⚠️ 注意
犬同士を近づけるかどうかは、こちらの都合だけでは決まりません。向こうの犬が治療の途中だったり、人や犬が苦手だったりという事情は、外から見えないままのことがあります。同じことが、読んでいる方の犬にも当てはまります。もともと他の犬が苦手な子であれば、相手の飼い主さんから承諾をもらえても近づけません。この記事で扱えるのは私の側の動き方までで、体のことには踏み込めません。
近づけてよいかどうかを最後に決めるのは、相手の飼い主さんとこちらの二人です。
次に会う犬のために持っていける、承諾を求める一言と、避けるときの歩き方
すれ違いの場面で荷物は増やせません。使えるのは、相手の飼い主さんへ向ける一言と、近づけないと決めたときの歩き方の二つだけです。どちらも家を出る前に用意できます。
一言のほうは、そのまま口から出る形を持っておくほうが安全です。挨拶させてもらってもいいですか、でも、うちの子が行きたがっているのですが大丈夫ですか、でも構いません。言い慣れていない言葉は、相手に届く前に飲み込んでしまいます。
歩き方のほうは、速度を変えずに通ることです。止まるか進むかを決められるのは、すれ違う一歩か二歩のあいだしかありません。判断がつかないうちは、止まるほうではなく進むほうを選びます。
家を出る前に、この二つがそろっているかどうかだけ確かめます。
・声に出して言える形の一言が、一つ手元にあるか
・近づけないと判断したときに、足を止めずに通るほうを選べるか
止めるのはいつもこちら側で、後味はこちらに残りました
近づけてもらえなかった理由を、私はサラに伝えられませんでした。行きたがっている犬を止めるのは、こちらにとっても気持ちのいいものではありませんでした。それでも止めていたのは、うまくいかなかったときに痛い思いをするのはサラの体のほうだと考えていたからです。私が動かないと決めた場面は、サラの側からすれば理由の分からない中断だったかもしれません。同じ判断をした方は、止めた自分を薄情だと思わなくて構いません。
ここに書いたのは、一頭で歩いていた家の動き方です。多頭で散歩に出る家なら、片方が行きたがって片方が下がるときにどちらへ合わせるかという、別の判断が先に来るはずです。
✅ まとめポイント
- 挨拶できそうな相手には、飼い主さんの承諾をもらってから挨拶させていた
- 順番は、承諾が先で挨拶があと
- 合わないと感じた犬は、近づけずに避けていた
- 合わないと感じた理由は言葉にできなくてかまわない。感じた時点で距離を詰めない、それだけでいい
- 避けた相手とは、その日の挨拶が起きないという損も同時にあった
- 返事が返ってこないときは、理由を尋ねずに通り過ぎる
- いつもと様子が違って見えるときは、承諾があっても近づけない
- ここに書いたのは一頭ぶんの動き方で、道の広さや犬の性格が違えばそのままは使えない
すれ違うときに手元がどうなっていたかという話は、首輪とハーネスのどちらにするかで揉めた 犬の首輪とハーネスどっち|両方買って走り方で決めました でも触れています。

めるる
声をかけるなら、挨拶させてもらってもいいですか、の一文だけで足ります。返事を待つあいだにこちらの足が止まるので、その数秒がそのまま判断の時間になります。
今日の散歩で使えるのは、相手の飼い主さんへ向ける一言と、近づかないままそのまま歩くという選び方の二つです。会う相手は選べませんが、この二つはこちらの手元に残ります。
犬同士を近づける判断には、体の安全がついてまわります。ここに残っているのはサラ一頭とのすれ違いの記録で、どなたかに勧められる手順として書いてはいません。ほかの犬と接したあとで様子が気になるとき、犬同士のあいだで何か起きたときの判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください(公益社団法人日本獣医師会)。散歩中のリードの扱いや係留については自治体ごとに定めがあるため、お住まいの地域の案内もあわせてご確認ください。2026年9月時点の記録です。

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