階段は絶対抱っこ|主人の過保護が守った、サラの腰の11年

階段は絶対抱っこ|主人の過保護が守った、サラの腰の11年 おでかけとシニア期

散歩コースの階段にさしかかると、主人は足を止めるとすぐに屈み込み、サラの脇に両手を差し入れて抱き上げていました。ためらう様子は一度もありません。理由を聞くと返ってくるのは、いつも「コーギーの腰は大事にしないと」の一言でした。

マンションの裏にあった土手が、11年通い続けた散歩コースです。犬でも自力で上り下りできる程度の段差でしたが、この区間だけは主人が決めたルールで必ず抱っこ。雨の日も、忙しい朝も、11年一度も崩れませんでした。私が一人で散歩に行く日も同じです。

正直、最初は「そこまでしなくても」と思っていました。11年経った今は、その徹底ぶりに助けられていたのだと感じています。

⚠️ 注意

階段の上り下りや抱っこの適切な範囲には、年齢・体格・持病の有無によって個体差があります。抱きかかえる際に体をひねる、足を痛がる、体重が重くて支えにくいといった様子が見られる場合は、自己判断で続けず、かかりつけの獣医師にご相談ください。コーギー全体が階段を絶対に上り下りしてはいけない、という話ではありません。

室内で落ちたおやつはそのまま、外で落ちたおやつは即交換

階段以上に主人の過保護がよく出ていたのが、おやつの扱いでした。同じ「落ちたおやつ」でも、室内か外かで対応がまるで違ったのです。

室内で落として、そのまま拾って食べても、我が家は特に気にしませんでした。床はこまめに掃除していましたし、管理された環境の中でのことだからです。

ところが外だと、基準がひっくり返ります。散歩中にサラがおやつを落とすと、主人は迷わず拾い上げて新しいものに交換していました。土や砂利の上に落ちたおやつをサラが口にしようとする瞬間、主人の手はいつも一足先に伸びています。

ある日、「そんなに神経質にならなくてもいいんじゃない?」と声をかけたら、主人は「サラが気にしなくても、俺が気になる」とだけ答えました。

その一言で気づきました。主人にとっての過保護は、サラを甘やかす行為ではなく、自分が納得できるかどうかの問題だったのです。それ以来、私も外で落としたときは深く考えず新しいものに交換するようになりました。いつの間にか主人の基準に合わせていたわけです。

過保護かどうかに正解はないと思います。ただ、「これは甘やかしすぎでは」と迷ったとき、犬の様子だけでなく自分がどこまで気になるかも判断材料に置いてみると、線を引きやすくなるかもしれません。

外で落としたものを食べさせるかどうかで迷ったら、その場で正しさを決めようとせず、家に帰ってからも気にせずにいられるほうを選んでください。室内と外で基準が変わっても、家の中で理由を説明できるなら、それで筋は通ります。

同じ「抱っこしようか?」に、立ち上がる日と待っている日

休日など、1時間以上の散歩に出る日もありました。そんな日は、サラが途中で座り込むことがあります。少し休むとまた歩き出す日もあれば、そのまま動かない日も。

座り込むたびに、主人は必ず立ち止まって様子を確かめていました。無理に立たせようとする素振りは一度も見たことがありません。そして「サラ、疲れたの?抱っこしようか?」と声をかけます。

面白いのは、その反応です。元気が残っている日のサラは、声を聞いてもすっと立ち上がり、我関せずという顔で再び歩き出します。ところが本当に疲れている日だけは、抱っこをねだるように大人しく待っている。同じ問いかけへの反応の違いから、その日の体調を推し量れるようになっていきました。

歩くペースが落ちる、立ち止まる回数が増える、息づかいが荒くなる。そういうサインも参考になりますが、我が家でいちばん分かりやすかったのは、この声かけへの反応でした。

散歩の途中で座り込む日が出てきたら、まず立たせるのではなく、毎回同じ言葉で声をかけてみてください。かける言葉を一つに固定しておくと、いつもと違う反応が返ってきた日に気づきやすくなります。

抱っこへの反応は、11年で3段階に変わった

抱っこそのものを嫌がるそぶりは、サラには一度もありませんでした。ただ、向き合い方は少しずつ変わっています。

時期 サラの反応 こちらの対応
子犬期 渡り終えた瞬間「もう用は済んだ」と自分から飛び降りようとする 落とさないよう気を張って抱きかかえる
成犬期(数年後) 下ろすまで大人しく抱かれるようになった 安心して抱っこできるようになった
シニア期 階段の前で「抱っこは?」と自分から見上げる 体力や関節の変化も踏まえて様子を見る

子犬の頃は、主人が下ろす前に自分で体をひねって飛び降りようとすることもあり、落とさないように気を張っていました。それが数年で、渡り終えても大人しく抱かれているようになります。

そしてシニア期。階段の前に来ると、自分から主人の顔をじっと見上げるようになりました。かつて抱っこを窮屈そうにしていた子が、「抱っこは?」と言わんばかりの表情で待っている。子犬の頃の「すぐ降りる!」を知っているだけに、この変化には11年という時間の重みを感じずにいられませんでした。

抱っこを求める頻度が変わったと気づいたら、いつ頃からそうなったかを日付でメモに残しておいてください。相談するときに、変化の始まりを伝えられます。

ただ、抱っこの回数が急に増えた、以前は嫌がっていたのに求めるようになった——こうした変化は、老化による自然なものなのか、体の痛みや不調のサインなのかを見極める必要があります。気になったら獣医師に一度相談してみてください。

よくある質問

抱っこはどこまでするのが適切ですか

我が家では、階段の上り下りや疲れているときは積極的に抱っこしましたが、普段の散歩そのものは最後までサラの足で歩かせていました。抱っこを「危険や負担を避けるための手段」と位置づけて、日常の運動量までは奪わない。それが我が家の考え方です。必要な運動量を確保しながら、リスクのある場面だけ手を貸す、という線引きが一つの参考になるかもしれません。

階段の上り下りは本当に控えたほうがいいのですか

胴長短足のコーギーは腰への負担がかかりやすいと言われているので、我が家はそのリスクを避ける判断をしました。ただし段差の高さや頻度、その子の体格や年齢によって負担の程度は変わるはずです。気になる場合は、自宅や散歩コースの階段の状況を、かかりつけの獣医師に相談してみることをおすすめします。

めるる
めるる

主人の過保護には「そこまで?」と思う場面もありました。それでも、階段は絶対抱っこ、外のおやつは即交換、疲れたサインには必ず声かけ。その積み重ねが11年を守っていたのだと今は思います。

子犬期に「すぐ降りる!」と暴れていた子が、シニア期には自分から抱っこをせがむようになる。11年というのは、そういう時間の長さでした。

土手の階段では、上りも下りも例外を作らないという一点だけを決めていました。決めごとを一つに絞っておくと、雨の日も、出かける時間が迫っている朝も、その場で判断せずに済みます。

同じ土手の階段で、雪の日にサラの震えに気づいた話もあります。→ 雪の日の散歩|サラが風邪を引かないようにユニクロのダウンジャケットを作り変えた

階段のほかに家の中でやめたことを、胴長短足の腰のために、家の中でやめたこと|11年つづけた4つの習慣で4つ挙げています。

補足:本記事は我が家のサラ1頭についての記録で、獣医師や専門家による助言ではありません。階段の上り下りや抱っこの範囲、関節・腰への負担に関する個別の判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください(動物病院を探すときは公益社団法人日本獣医師会のサイトが参考になります)。2026年7月時点の記録です。

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