ペット可のマンションで犬を飼うとき、決まりが書かれている場所は1か所とは限りません。管理規約に「ペット可」とあっても、頭数や大きさの制限は使用細則に書かれていることがあります。
ペット可の分譲マンションを買ったのは2008年で、コーギーのサラを迎えたのは翌2009年の11月でした。2020年12月までの11年を、その部屋で過ごしました。読み手として考えているのは、これから集合住宅で犬を迎える方です。決まりを守れなかったときにどう扱われるかは、その建物の管理組合や管理会社に聞く部分です。
本文で引いた国の文書と UR の案内は、どちらも2026年9月21日に見たものです。吠え方も、近所への届き方も、建物の造りや住む階で変わります。
✅ この記事でわかること
- ペット飼育を認める場合に定める必要があるとされている7項目(国土交通省のコメント)
- 契約や購入の前に取り寄せる書面は、管理規約と使用細則の2つ
- UR賃貸のペット共生住宅の条件(1部屋に1頭・犬は成犬時おおむね10kg以下)と、それが全物件の基準ではないこと
- 国の規約例が「苦情の申し出」を措置の起点に置いていること
- 我が家のマンションの決まり3つ(2頭まで・中型犬まで・共有部分は抱っこかカート)と、共用部で11年続けていたこと
犬の決まりは、管理規約と使用細則の2か所に分かれて書かれます
国土交通省のコメントには、犬や猫などのペットの飼育について、認める・認めないの規定は規約で定めるべき事項である、と書かれています。そのうえで、基本的な事項を規約で定め、手続などの細部の規定を使用細則等に委ねることは可能、と続きます。「ペット可」の三文字が載っているのは管理規約のほうで、何頭までか、どのくらいの大きさまでかという中身は、別の書面にあることがあるわけです。
飼育を認める場合に定める必要があるとされているのは、次の項目です。
| コメントに並んでいる項目 | 自分の物件の書面で見るところ |
|---|---|
| 動物等の種類及び数等の限定 | 飼える動物の種類と、頭数・大きさの制限 |
| 管理組合への届出又は登録等による飼育動物の把握 | 届出や登録が要るか、どこへ出すか |
| 専有部分における飼育方法 | 部屋の中での飼い方の決まり |
| 共用部分の利用方法 | 廊下・エレベーター・エントランスの通り方 |
| ふん尿の処理等 | 排せつ物の始末の仕方 |
| 飼育に起因する被害等に対する責任 | 責任について、どう書かれているか |
| 違反者に対する措置等 | 決まりを守れなかったときの扱い |
真ん中の3つは、コメントの中では「飼育者の守るべき事項」としてまとめられています。国の文書に並ぶのはここまでで、実際に何が書いてあるかは、その物件の書面を見ないと分かりません。同じ「ペット可」でも、この7つがどこまで書き込まれているかは建物ごとに別です。
契約や購入の前に取り寄せるのは、管理規約と、使用細則の2つです。ペット飼育細則という名前で別冊になっていることもあります。片方だけだと、頭数や大きさの制限が載っていないことがあります。
頭数と大きさは、UR賃貸のペット共生住宅だと「1部屋に1頭・成犬でおおむね10kg以下」
数字の例を一つ挙げます。UR都市機構は、ペット共生住宅で飼える動物について、1部屋につき犬か猫のいずれか1頭まで、犬は成犬時の体重がおおむね10kg以下、と決めています。緊急時に飼い主がコントロールできることを考えた条件だという説明も添えられています。室内飼育が前提でバルコニーと共用廊下では飼えないこと、部屋の外に出るときはケージに入れるかリードでつなぐこと、ペットクラブが設けられている物件では会費がかかることも、同じページにあります。ただし、これは UR の規則で、ほかの物件がこの数字に合わせているわけではありません。我が家の分譲マンションは2頭まででしたし、大きさの決まりも体重ではなく「中型犬まで」という書き方でした。数字が出てきたら、それがどの物件の決まりなのかを先に見てください。
我が家の規約の決まりは3つ。2頭まで、中型犬まで、共有部分は抱っこかカート
管理規約を読んだのは、2008年に物件を買う前です。犬について書かれていた決まりで覚えているのは、下の囲みの3つでした。
💡 我が家のマンションの決まり(管理規約)
- 頭数は2頭まで
- 大きさは中型犬まで
- 共有部分では抱っこ、もしくはカートに乗せる
この3つ目があったので、玄関を出てから建物の外に出るまでは抱っこでした。シニアになってからは、家の中からカートに乗せていました。買う前に読む順番を選べたのは、犬を迎えるより先に住まいのほうを決めていたからでした。
住み替えのときに何を捨てて何を取ったかは ペット不可の家を売って住み替えた5年|コーギーのための物件選びで捨てたもの を別に立てました。
【シニア犬のカート選び】9歳で買った私の大失敗!「くつろぎやすさ」で選ぶと重くて持ち上がらない?後悔しない3つのチェックポイント では、カートに替えたあとの散歩と通院を分けて書きました。
エレベーターに先に人が乗っていたときは、見送って次を待ちました
共用部の移動で、規約に書いていないのに続けていたことが1つあります。エレベーターに先に人が乗っていたら、そのまま見送って次を待ちました。抱っこは重たくないわけではありませんでしたが、サラの安全が最優先だったので、気になりませんでした。これは規約の要求ではなく、我が家がそうしていたというだけです。同じ建物でも、エレベーターの数や住戸の位置で、待てる時間は変わります。
これから集合住宅で迎える方は、頭数と大きさの制限、それに共有部分での移動方法を、入居の前に読んでおきます。住み始めてから個人で変えられる部分ではありません。抱えて移動することになるなら、成犬になったときの体重を、迎える前に迎え入れ先へ聞いておきます。
国の規約例は「苦情の申し出」から動き出します
同じ文書には、飼育を容認する場合の条文の形も載っています。細則を守ることを求めたうえで、ほかの部屋の所有者や住んでいる人から苦情の申し出があり、改善勧告に従わない場合には、理事会は飼育禁止を含む措置をとることができる、という一文です。どの程度で申し出にあたるのか、実際にどう運用されるのかは、建物ごとに違います。そこは管理組合や管理会社、賃貸なら貸主に確かめる部分です。
11年のあいだ、近隣から苦情を受けたことは一度もありません。もっとも、なぜそうだったのかまでは言い切れません。心当たりは、部屋の中でほとんど吠えなかったことと、こまめに掃除をしていたことの2つですが、どちらも私の推測で、掃除をすれば苦情が来ない、とは書けません。そもそも、隣や下の階にどなたが住んでいて、どのくらい音が届いていたのかを確かめていません。建物の造りや階数、隣の住戸との距離によって、同じことをしても結果は変わります。
家の中でサラが吠えたのは、インターホンが鳴ったときでした。叱ることでも黙らせることでもなく、「サラちゃん、教えてくれてありがとう。大丈夫だよ」と声をかけていました。主人が仕事部屋にいてサラがリビングにいるときは、仕事部屋まで来て教えてくれました。サラは勝手に玄関から出ることがなかったので、こちらはそのまま玄関を開けて荷物を受け取っていました。特別に教えたわけではありません。これはサラ1頭がそうだったというだけで、玄関を開けるときに犬が出ないようにする備えは、家ごとに別に用意してください。荷物は、置き配が選べるときは置き配にしていました。玄関を開ける回数そのものが減ります。夜中や早朝に吠えたのは、地震があったときくらいです。
入口の一声と、雷や花火の日は ドッグランデビュー|社会化が完了してから連れて行った我が家の判断 と 雷と花火が苦手だったサラ|怖がる日に我が家がした3つの対応 のほうです。
⚠️ 注意
声がよく出る子と暮らしている家は多く、そのことが、飼い主の関わり方が足りないという意味になるわけでもありません。吠える回数や場面の個体差は大きく、サラ1頭ぶんの様子をそのまま他の子に重ねることはできません。ここに書いたことをやれば吠えなくなる、という話でもないのです。吠えることへの備えを調べるなら、調べる先は、規約を出している管理組合ではなく、家庭犬しつけインストラクターや、かかりつけの獣医師です。規約の書面で分かるのは、守るべき決まりの範囲までになります。
そのうえで、吠える回数が急に増えたとき、これまで吠えなかった時間帯に吠えるようになったときは、体調の変化が背景にあることもあります。回数が変わった日付をメモして、かかりつけの獣医師に見せてください。順番としては、しつけの相談よりそちらが先です。
📋 書面を取り寄せてから見る順番
2つ目から6つ目は、国の文書に並ぶ項目から取っています。
- ☐ 管理規約と使用細則(ペット飼育細則)の2つを、契約や購入の前に取り寄せる
- ☐ 飼える動物の種類と、頭数・大きさの制限が書かれているかを見る
- ☐ 届出や登録が要るか、どこへ出すかを確かめる
- ☐ 共有部分をどう通ることになっているか(抱っこ・ケージ・カート)を読む
- ☐ 排せつ物の始末の仕方と、責任について書かれている箇所を読む
- ☐ 決まりを守れなかったときの扱いが、どう書かれているかを見る
- ☐ 数字が出てきたら、それがどの物件の決まりなのかを確かめる
- ☐ 抱えて移動するなら、成犬になったときの体重を迎え入れ先に聞いておく
- ☐ 吠える回数が急に増えたときは、しつけの相談より先に獣医師に見せる

めるる
書面を持っているのは、分譲なら管理組合か管理会社、賃貸なら貸主か管理会社です。内見のときに「ペット飼育の細則の写しをいただけますか」と聞くと、管理規約とは別に出てくることがあります。頭数と大きさの制限は、そちらの書面に入っていることがあります。
✅ まとめポイント
- ペット飼育の決まりは、管理規約と使用細則の2か所に分かれて書かれることがある(国土交通省のコメント)
- 飼育を認める場合に定める必要があるとされているのは、種類と数の限定/届出と登録/専有部分の飼育方法/共用部分の利用方法/ふん尿の処理/飼育に起因する被害等に対する責任/違反者に対する措置
- UR賃貸のペット共生住宅は1部屋に1頭、犬は成犬時おおむね10kg以下。これは UR の条件で、全物件の基準ではない
- 国の規約例は、苦情の申し出と改善勧告に従わないことを、措置の起点に置いている
- 我が家の規約の決まりは3つ(2頭まで・中型犬まで・共有部分は抱っこかカート)。物件を買う前に読んでいた。共用部は抱っこ、シニアからはカート。エレベーターは先に人が乗っていたら見送った
- 11年で苦情はゼロだったが、理由は言い切れない
- 持ち帰る判断軸:数字や決まりが出てきたら、それがどの物件のものかを先に確かめる。国の文書に並ぶのは項目までで、中身は自分の物件の書面にしかない
今日動かせるのは、手元の書面を1枚増やすことです。管理規約しか見ていないなら、使用細則かペット飼育細則の写しを頼んでおきます。頭数と大きさ、それに共有部分の通り方がどこに書いてあるかが分かれば、内見の段階で判断できることが増えます。
規約の中身をどう読むかは、建物ごとに管理組合と管理会社が判断する部分です。ここに書いたのは、ペット可の分譲マンションでコーギー1頭と暮らした側の記録で、獣医師でもドッグトレーナーでもない飼い主が書いています。しつけの指導ではなく、吠え方や回数には個体差があります。変化が気になるときは、かかりつけの獣医師にご相談ください(動物病院探しは公益社団法人日本獣医師会のサイトが参考になります)。規約と細則の中身は、管理組合や管理会社、賃貸なら貸主にお尋ねください。本文で引いた項目と規約例は、国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)及びマンション標準管理規約コメント」(令和7年改正)によるもので、頭数と体重の条件は独立行政法人都市再生機構のペット共生住宅の案内によるものです。どちらも2026年9月21日に確認しました。我が家の記録は2026年9月時点のものです。


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