サラに洋服を着せていた理由は、おしゃれではありません。胴長短足のコーギーはお腹の位置が地面にとても近く、散歩のたびにそこだけが汚れる体型でした。だから服を1枚はさむ。それが11年続いて、母の手作りが50着を超えた、という話です。獣医師でもトリマーでもない飼い主の記録として読んでください。
✅ この記事でわかること
- 洋服を着せた本当の理由(おしゃれではなくお腹保護)
- どんな場面でお腹が汚れたか、洋服が何を引き受けたか
- 既製品が体型に合わず、母の手作りに切り替えた経緯
- 50着超を春夏秋冬・散歩用・お出かけ用・部屋着で使い分けた運用
- 手作り・購入前に測っておくとよい実寸のチェックリスト
おしゃれではなく、お腹を守るためだった
サラは、コーギーらしくしっかり胴長短足でした。横から見ると、お腹のラインが地面にとても近い位置にあるのがはっきり分かります。短い足の上に長い胴が乗っている構造なので、感覚としては、お腹がずっと地面のそばを移動しているような状態です。
散歩から戻るたび、お腹まわりだけが集中的に汚れているサラを拭いていました。何度も拭いているうちに、これは「きれいにする工夫」ではなく「地面に近いお腹そのものを守る話」なのだと考えが変わっていきました。
もうひとつ、帰宅後の手入れを楽にしたい、という実務的な狙いもありました。お風呂は2〜3週間に1度の頻度で運用していたので、散歩のたびに本格的に洗うわけにはいきません。服を1枚はさんでおけば、汚れの大半は服が引き受けてくれます。お風呂の頻度を守りながら日々の清潔さも保つ、そのバランスを取る道具でした。
どこで、何がお腹に付いたか
洋服を着せる前と後では、帰宅後の手入れにかかる時間がはっきり変わりました。実際にどんな場面で何が付いたのかを整理します。
| 場面 | お腹に付いたもの | 洋服なしだと何が起きたか |
|---|---|---|
| 普段の散歩(アスファルト・土の道) | 砂ぼこり・土 | 背中側より先にお腹が汚れる。毎回の拭き上げが必要 |
| 雨上がりの散歩 | 泥・水 | 水たまりに入らなくても、濡れた路面を歩くだけでお腹がびしょ濡れ。背中は乾いているのにお腹だけ冷たい状態になる |
| 草むら(河川敷・公園) | 草の切れ端・種のような付着物 | 毛に絡むと、ピンセットでほどかないと取れないものもある。帰宅後の作業が長い |
| 室内・車内(副次的) | — | ソファや車のシートに直接触れる毛の面積が大きくなる。服を着せると抜け毛の散らばりが減った |
いちばんこたえたのは、雨上がりでした。雨の日も風の日も散歩を欠かさない方針でやっていたので、濡れた道は当たり前のシチュエーションです。背中側は乾いているのにお腹だけが冷たく濡れているサラを見ながら、早く手を打たないと体まで冷やしてしまう、と焦ったのを覚えています。物件選びでは散歩しやすい環境を絶対条件にしたのに、その散歩で生まれる「お腹の汚れと冷え」までは想像できていませんでした。服を1枚はさむという発想は、その反省から出てきたものです。
⚠️ 注意
犬の洋服は、サイズや素材によっては皮膚への摩擦やムレの原因になることがあります。特に夏場や長時間の着用では、皮膚の状態をこまめに確認してください。赤み・かゆみ・脱毛など気になる症状が出たら自己判断で続けず、かかりつけの獣医師にご相談ください。
既製品が合わず、母の手作りになった
お腹保護のために着せようと決めたあと、最初につまずいたのが「サラに合うサイズが見つからない」でした。
市販の犬用の服は、ある程度の体型を想定して作られています。サラの胴回りに合わせると丈や袖が長すぎて足元に余る。丈や袖に合わせると胴回りが小さすぎて着られない。お腹を守るための服なのに、お腹の位置で生地が余ってしまうと、いちばんカバーしたい場所が覆えません。
型紙から起こしてくれた
そんなとき、手先の器用な母が「サラの洋服なら作ってあげようか」と言ってくれました。胴回り・首回り・足の長さを実寸で測り、型紙から起こすオーダーメイドです。
出来上がってきた最初の一着を着せたとき、胴回りも丈も袖もすべてがサラの体型に沿っていて、これなら本当にお腹を守れると実感しました。既製品で試行錯誤していた時間が、一気に片づいた瞬間です。
お願いした日のことは今も覚えています。おしゃれのためではなく、お腹を守るためだと母にも正直に伝えました。すると「だったら丈はもう少しお腹側を長めにしようね」とすぐ返ってきたのです。その手元を見ながら、サラの毎日が家族みんなの工夫で支えられていく時間が始まったのだと感じていました。
50着超を、どう使い分けていたか

最初は数着だったはずが、季節ごと・用途ごとに仕立ててもらううちに、いつの間にか専用クローゼットが必要な量になっていました。ただ枚数が増えたのではなく、役割が分かれていった、というのが実態でした。
| 用途 | 生地・仕様 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 散歩用(夏) | 通気性の良い薄手生地 | お腹保護+ムレ防止 |
| 散歩用(冬) | 保温性のある素材 | お腹保護+冷え対策 |
| お出かけ用 | 見栄えのする生地・落ち着いた色味 | 清潔感+お腹保護 |
| 部屋着 | 柔らかい肌触りの素材 | リラックス+抜け毛の軽減 |
| 色・柄 | 毛が目立ちにくい色合い | 日常使いのしやすさ |
色や柄まで母が考えてくれていたのは、あとから気づきました。人間の黒い服にサラの毛が目立つのと同じで、服の色によっては抜け毛が目立ってしまいます。そこを意識して選んでくれていたのです。こういう細かい配慮が積み重なって、50着は「服」ではなく「サラのための装備」になっていきました。
着せ替えで意識していたのは、とにかく短時間で終わらせることです。サラはおとなしく身を任せてくれる子でしたが、長くじっとさせれば穏やかな子でも退屈します。胴回り・首回り・足の位置の順に、ぱっと通して整える。着せる時間が「ちょっと我慢する時間」という記憶にならないようにしていました。母が型紙の段階で着脱しやすい形に仕立ててくれていたことにも助けられました。
📋 手作り・購入の前に測っておくとよいこと
- ☐ 胴回りを実寸で測る
- ☐ 首回りを実寸で測る
- ☐ 足の長さを実寸で測る
- ☐ 胴回りと丈の両方が合うかを見る(片方に合わせるともう片方が余る/足りなくなる)
- ☐ 着脱が短時間で済む形か確認する
- ☐ 夏用は通気性、冬用は保温性、と季節で分ける
- ☐ 抜け毛が目立ちにくい色合いを選ぶ
- ☐ 着せた初日は、脱がせたあとに皮膚の赤み・ムレを見る
取材の日も、いつもの服だった
1〜2歳の頃、サラがコーギー専門誌に取り上げられる機会をいただきました。その日も特別な装いはしていません。いつも通り母の手作りを着て、いつもの散歩コースに出かけました。
撮影用に特別な衣装を用意する選択肢もありました。ただ、服を着せる目的があくまでお腹保護だったので、その日もいつもの姿を見てもらいたい気持ちのほうが強かったのです。取材の方には、母の手作りであることとお腹保護から始まった経緯を簡単にお話ししました。ブランドの服ではなく、家族が一着ずつ仕立てた服を毎日着ているコーギー、という背景に関心を持っていただけたのを覚えています。
よくある質問
コーギーに洋服は着せたほうがよいですか
家庭ごとに判断が分かれるところです。我が家のサラの場合は、お腹が地面に近く散歩のたびに汚れたので、お腹保護を目的に着せていました。結果として、雨上がりの濡れ対策・草むらの付着物防止・抜け毛の散らばり軽減まで担ってくれた形です。
ただ、サラはもともと洋服を嫌がらない子でした。嫌がる子もたくさんいると聞きます。嫌がるのを無理に着せ続けるのは避けてください。その子のストレスサインを見ながら少しずつ慣らして、それでも嫌がるなら着せない、という判断もあっていいと思います。皮膚のムレや摩擦の心配もあるので、長時間の着用や夏場はこまめに皮膚を確認してください。個別の判断はかかりつけの獣医師へ。
既製品でもコーギーに合いますか
サイズが合う子もいます。ただサラの場合は、胴回りに合わせると丈や袖が余り、丈や袖に合わせると胴回りが小さくなる、という場面が多くありました。胴長短足の比率は独特なので、サイズ展開によっては合いにくいようです。最近はコーギー向けに展開しているメーカーもあるようなので、まずは試着できるお店で実際に合わせてみるのが確実です。
手作りするなら何に気をつけますか
私自身が型紙を引いたわけではないので、横で見ていて気づいたことになります。母は胴回り・首回り・足の長さを実寸で測ってから型紙を起こし、季節ごとに生地や厚みを変えていました。加えて、毛が目立ちにくい色を選び、着脱が短時間で済む形に仕立ててくれています。挑戦するなら、実寸計測と着脱のしやすさを最優先にするのが良さそうです。
洋服そのものより、その背景にあった家族の関わりのほうが宝物だったと、今は思います。お腹を守るという実用目的から始まった習慣が、いつの間にか家族の愛情が形になる時間になっていました。母が仕立てた服を私がサラに着せて、その姿を主人が「今日のサラも似合うね」と眺める。それだけの場面です。
✅ まとめポイント
- 着せた一番の理由は、おしゃれではなく地面に近いお腹を守るため
- 雨上がりは背中が乾いていてもお腹だけびしょ濡れ、草むらでは種のような付着物が毛に絡んだ
- お風呂が2〜3週間に1度の運用でも清潔を保てたのは、服が汚れを引き受けたから
- 抜け毛が室内・車内に散らばる量を減らす副次効果もあった
- 既製品は胴回りと丈が両立せず、母が実寸から型紙を起こしてくれた
- 春夏秋冬×散歩用・お出かけ用・部屋着で使い分け、合計50着を超えた
- 着せ替えは短時間で終わらせるルーティンにしていた

めるる
クローゼットを開けるたびに、母の手元と、おとなしく着せ替えを待つサラを思い出します。実用のために始めたものが、いつの間にか家族の形になっていました。
補足:本記事は我が家のサラ1頭の記録で、特定の商品や素材を推奨するものではありません。洋服の素材による皮膚トラブルやアレルギーについての個別判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください(動物病院を探すときは公益社団法人日本獣医師会のサイトが参考になります)。2026年7月時点の記録です。
サラの体型まわりの記事は、この4本にまとめてあります。


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