関東圏でコーギー専門のブリーダーを探し始めてから、サラと出会うまでに2年かかりました。候補は3か所。それぞれに何度も通い、通いながら見極めの軸が4つに固まっていった、という順序です。獣医師でもブリーダーでもない、一度だけ子犬を迎えた側の記録として、その4つを書きます。
✅ この記事でわかること
- 候補を3か所に絞り、2年かけて通い続けた進め方
- 4つのチェックポイント(犬舎の環境/説明態度/記録の透明性/急かさない姿勢)
- 訪問のたびに実際に聞いていた質問リスト
- 「すぐ決めて」と言う先を候補から外した理由
- 6匹兄弟から1番に選ばせてもらえた日のこと
2年かけて、3か所に絞るまで
ペット可マンションの再購入のめどが立った後、子犬を迎える2年前から、コーギー専門のブリーダー探しを本格的に始めました。住む場所が整ったので、次のステップに進む、という段取りです。住環境の準備そのものはペット不可の家を売って住み替えた5年に書いています。
迎え入れ先の選定にも同じだけ時間を使うと決めていました。コーギーは胴が長く運動量も多いぶん、迎えた後の体型管理や運動習慣が長期の健康に効いてくる。だとしたら、どこから迎えるかを妥協しないことが、この先の11年12年を支えるはずだ——そういう気持ちが強かったのです。
雑誌とインターネットで集めて、3か所まで絞った
最初にやったのは候補の絞り込みでした。雑誌とインターネットで情報を集め、コーギー専門で評判の良い先をリストアップし、最終的に3か所に。
絞ったあとは、それぞれに何度も足を運びました。1回では見えないことが、2回目・3回目で見えてくるからです。自宅からの距離より「信頼できるか」を優先して選んだので、片道で時間がかかる先にも、必要なら何度でも通うつもりでいました。
チェック①|犬舎の環境と、親犬・兄弟犬の様子
3か所に通う中で、最初の軸にしていたのは犬舎の環境と犬たちの状態でした。子犬の可愛さに目を奪われる前に、見るべき場所がたくさんあります。
清潔さ・におい・換気・スペースを、毎回見た
犬舎を訪ねるたび、必ず全体の状態を確認していました。床や壁の汚れ、空気のこもり方、犬一頭あたりに確保されているスペース。目で見て鼻で感じられる情報を、自分なりに整理していきます。
環境を毎回見ることにこだわったのは、子犬時代を過ごす場所の衛生状態がその後の体質形成にも関わる、という話をいくつかの情報源で見ていたからです。
親犬には必ず会わせてもらった

3か所とも、親犬に会わせてもらいました。見ていたのは体格・毛色・性格・人への慣れ方の4点です。子犬は親犬から多くを受け継ぐ傾向があるので、親犬の様子は迎えた後の暮らしを想像する手がかりになります。
人への慣れ方を見るときは、スタッフや見学者である私への反応をじっくり観察しました。落ち着いて挨拶してくれる親犬もいれば、距離を取りながらも穏やかに振る舞う親犬もいて、それぞれ違います。育成方針による部分も大きいのでしょうが、親犬の穏やかさは子犬の社会化のしやすさに影響しうる、と感じていました。
兄弟や人との接し方から、性格の輪郭を見た
子犬そのものを見るときは、兄弟犬や人とどう接しているかを時間をかけて観察しました。兄弟と遊ぶときの距離感、おもちゃの取り合いでの引き際、初めて会う人への近づき方。そのあたりに性格のヒントが詰まっています。
「可愛いから選ぶ」ではなく「一緒に暮らしたら相性が良さそうか」で見るには、子犬同士のやり取りを見るのが一番でした。
チェック②③④|説明態度・記録の透明性・急かさない姿勢
デメリットまで話してくれるか
3か所に通う中で、かなり細かい質問を重ねました。すると、ブリーダーごとの説明の質と姿勢の違いが見えてきます。良いことだけを並べる先と、デメリットや想定される困りごとまで丁寧に話してくれる先とでは、安心感がまったく違いました。
特に必ず聞いたのが、コーギー特有の腰やヘルニアのリスクをどこまで理解し、どんな対策をしているかです。胴が長く足が短い体型のぶん腰に負担がかかりやすい、というのは当時読んでいた本にも情報サイトにもどれも書いてありました。だから、そこを認識して育てているかは私にとって外せない軸でした。回答には差がありました。育成段階での運動方法、床材の工夫、体重管理の考え方まで具体的に話してくれる方もいれば、一般論で終わる方もいます。
記録を、求めたときすぐ出せるか
健康診断の結果・血統書の有無・ワクチン接種記録は、3か所すべてで確認させてもらいました。見ていたのは記録の有無そのものより、求めたときにすぐ提示してくれるか、口頭ではなく書面で見せてくれるか、です。
健康診断の記録を綴じたファイルを丁寧に見せてくれた先と、出すまでに時間がかかった先とでは、安心感に大きな差がありました。記録が整っているかどうかは、日々の健康管理をどれくらい計画的に進めているかを映す鏡のようなものです。
「すぐ決めて」と言う先は、候補から外した
2年の探索の中で、値段の安さや「すぐ渡せる」「すぐ決めてください」で押してくる先は、はっきりと候補から外しました。急かされる場面で決めた出会いは、長期的に後悔につながりやすいと感じていたからです。
それに、急かさない姿勢は迎え入れ後の関係性にも表れます。引き取り後に質問が出たとき丁寧に答えてくれる関係を築けるかは、初回のやり取りの時点で見えていました。
⚠️ 注意
本記事は一般の飼い主が2年かけて育てた「見極めの軸」の記録です。子犬の健康・体質に関する個別の判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。コーギーの体型に関する留意点も、最終的な健康判断は獣医師に委ねる前提でお読みください。
4つの軸と、実際に持って行った質問
2年で育っていった4つのチェックポイントを、まず表にまとめます。
| チェック軸 | 具体的に見たポイント | 私の判断軸 |
|---|---|---|
| ① 犬舎の環境と犬の様子 | 清潔さ・におい・換気・スペース/親犬の体格と性格/兄弟との接し方 | 可愛さの前に、環境と犬の状態を毎回確認する |
| ② 説明態度 | 質問への正直さ/デメリットの開示/腰の負担への理解と対策 | 良いことだけでなく注意点も話せる関係か |
| ③ 記録の透明性 | 健康診断・血統書・ワクチン記録の有無と、提示までの早さ | 書面で揃っていて、求めたときに出せるか |
| ④ 急かさない姿勢 | 「すぐ決めて」と言わない/値段の安さで押してこない | 自分のペースで考える時間を尊重してくれるか |
次に、訪問のたびに実際に聞いていたことです。その場で思いつく限り率直に聞いていたので体系立ててはいませんが、あとから振り返ると次の6つに整理できます。
| # | 聞いていたこと |
|---|---|
| 1 | 子犬の食事内容 |
| 2 | 運動量の見通し |
| 3 | しつけのスタートライン |
| 4 | 将来の体重の目安 |
| 5 | 性格傾向 |
| 6 | 腰・ヘルニアのリスクと、その対策 |
この中で答えに一番差が出たのは、6つ目でした。育成段階での運動方法、床材の工夫、体重管理の考え方まで具体的に話してくれる方もいれば、一般論で終わる方もいます。他の5つについては、どこがどう違ったかを記録に残していないので、我が家の実感として書けるのはここまでです。
📋 見学のときに持って行くもの・やること
- ☐ 訪問前に「今日はこれを見る」と決めておく
- ☐ 犬舎の清潔さ・におい・換気・スペースを毎回見る
- ☐ 親犬に会わせてもらえるか頼んでみる
- ☐ 気になることは遠慮せず全部聞く(答えの具体度に差が出る)
- ☐ 健康診断・血統書・ワクチン記録を書面で見せてもらう
- ☐ 帰宅後に「実際どうだったか」をメモする
- ☐ 同じ先に、最低2回は行く
6匹兄弟から1番に選ばせてもらえた日

2年の末に縁を結んだのは、関東圏のあるコーギー専門ブリーダーさんでした。4つの軸を満たしたうえで、もう一つ大事だったのが「この人から迎えたい」と思えるかどうかです。
そのブリーダーさんから、出産間もないタイミングで、6匹兄弟の中から1番に選ばせていただけるという話をいただきました。嬉しさと同時に、責任の重さも感じたのを覚えています。これから11年12年を共にする家族を、自分が最初に選ぶ。その重みが、通い続けた2年を意味のあるものにしてくれた気がします。
子犬たちに囲まれて迷っていたとき、1匹だけ私の靴下を引っ張ってくる子がいました。「自分を選んで」と言われているような気がして、迷わずその子に決めました。それが後にサラと名付ける子です。
選んだあとも、引き渡しまでに数回通いました。母犬や兄弟と過ごす様子を見守りながら、「この人から迎えたい」という気持ちをもう一度確かめる時間です。サラはブリーダー宅で2か月育ててもらってから、2009年11月に我が家へ来ました。その引き渡しの日にかけられた言葉のことは、繁殖用候補だったサラに書いています。
よくある質問
候補は何か所くらい見るとよいですか
私の場合は3か所でした。比較のしやすさと、移動の現実的な負担を両立できる数だと感じています。多すぎると比較軸がブレやすく、少なすぎると相場感がつかめません。ただ、か所数より効いたのは同じ先に複数回通うことのほうでした。初回では見えない部分が必ず出てきます。
子犬の可愛さに流されずに見極めるコツはありますか
子犬の前に立つ瞬間ではなく、その前と後に軸を持つことでした。訪問前に「今日はこれを見る」と決めておき、帰宅後に「実際どうだったか」をメモする。対面した瞬間はどうしても心が動きますが、前後の冷静な時間を確保しておけば、感情だけで決めずに済みます。可愛さに動かされること自体は自然なことなので、それを否定するのではなく、別の軸を同時に持っておくのが現実的でした。
「すぐ渡せる」「すぐ決めて」と言う先は、本当に避けたほうがよいですか
私は明確に外しました。急かされると考える時間が削られ、長期の相性を冷静に見られなくなるからです。もちろん事情はそれぞれで、すべての急かしが悪意とは限らないでしょう。ただ私の経験では、時間をくれる先のほうが引き取り後のサポートも丁寧でした。「自分のペースを尊重してくれるか」は、判断軸に加えて損はないと思います。
振り返ると、あの2年は子犬を選ぶ時間というより、迎え入れ先を選ぶ時間でした。4つのチェックポイントも、最初から持っていたわけではありません。通う中で育ったものです。だから、これから探す方も最初から完璧な軸を持つ必要はないと思います。急がず、感情だけで決めず、納得できる関係を見つけるための時間を惜しまない。それだけで軸のほうが育ってきます。
✅ まとめポイント
- マンション再購入のめどが立った後、迎える2年前から本格的に探し始めた
- 評判の良い候補を3か所に絞り、距離より「信頼できるか」を優先して通い続けた
- 犬舎の環境(清潔さ・におい・換気・スペース)と、親犬・兄弟犬の様子を毎回確認
- 説明態度は「デメリットまで話せるか」、特に腰の負担への理解と対策で差が出た
- 記録は有無だけでなく「求めたときに書面で出せるか」を見た
- 「すぐ渡せる」「すぐ決めて」と急かす先は候補から外した
- 6匹兄弟から1番に選ばせていただき、2か月育ててもらってから2009年11月に迎えた

めるる
2年かけて訪ね歩いた時間は、迎えた後の11年の安心感の土台になりました。あの2年がなかったら、何かが起きたときの判断はもう少し揺らいでいたと思います。
この記事について:ブリーダー選びは一般の飼い主が2年で育てた軸の記録であり、特定の事業者を推奨・批判するものではありません。子犬の健康や体質に関する個別の判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください。子犬の販売・引き渡しに関する法令上のルール(対面説明や生後日数の規制など)は環境省自然環境局が、血統登録の制度は一般社団法人ジャパンケネルクラブが公開しています。2026年7月時点の記録です。
迎える準備の記事はこの4本です。


コメント