我が家が11年のあいだ買わなかったもの、やらなかったことを1枚にすると、11行になりました。台所の柵、拾い食い用の道具、犬用の洗剤。どれも売り場にあって、買えば使えたはずのものです。
2009年11月にサラが来てから、2020年12月に見送るまでのあいだ、体に関わることの相談先はかかりつけの動物病院でした。ただ、11行すべてに獣医師の確認があったわけではなく、自分の考えだけで通した行も混じっています。私の手元に残っているのは、家の側で動かせたことだけです。
足さずに済んだのは、この表のいちばん右の列がそろっていたからです。同じ列がそろわないところでは、足したほうが早い行があります。足す・足さないの是非は、この表では決めていません。入っているのは、足さなかったという事実と、そのとき何をしていたかと、それが成り立った条件の3つだけです。
買い足すかどうかで手が止まっているときに、足さなかった側の例として使えます。
同じ行を自分のところへ持って行く前に、いちばん右の列を読んでください。
足さなかったこと10行と、やめたこと1行。台所の柵も、犬用の洗剤も、拾い食いの道具も並んでいます
| 足さなかったこと | そのとき我が家がやっていたこと | それが成り立った条件 |
|---|---|---|
| 1|台所の柵・ゲート | 家を空ける前に、調理台に物を残さない状態にしてから出た。食べ物は冷蔵庫か戸棚へ、コード類は、かじられると感電のおそれがあるので届かない高さへ上げ、ゴミ箱も蓋のあるものに替えた(この行だけを1本にしたのが留守番の日に片づけた2つ|大根を半分かじられてから変えた置き場所です) | 使わなかった理由そのものを記録に残していない。仕切りを置くかどうかは、間取りと、調理のあいだ犬をどこに置きたいかで変わる。戸棚を増やせない台所もある。まだ迷っている段階でも、置かないと決めたあとでも、刃物や火を使っているあいだは犬から目を離さないという前提が要る |
| 2|拾い食い対策に買い足す道具 | 口に入る前に気づいて、その場で声をかけた。おやつでこちらへ気を向け直すこともあった | 1歳前後から2歳までのあいだの話。2歳で拾わなくなったが、声をかけたことが効いたのか、時期が来ただけなのかは分けられていない。2歳という数字は、うちの1頭から出たもの。よその子の年齢とは関係がない |
| 3|腰のために室内へ足す特別な道具 | 移動する場所の床はタイルカーペットで覆った(計20畳ぶん以上で約4万円)。ソファやベッドへ自力で上がらせない。室内で急に向きの変わる遊びは外す。抱えるときは首と腰の向きを見る | 金額は2009年に払ったもので、控えが残っておらず記憶をたどった数字。敷けた広さはその家の間取りで決まる。賃貸などで床そのものを替えられない住まいでは、同じにはできない。4つが効いたかどうかも言い切れない |
| 4|トイレを教えるための特別な道具 | シートに前の匂いを残しておき、何度もそこへ鼻を近づけさせた。そこでできたときは大きな声で褒めた | 教え始めて1か月かからずに覚えたが、早く覚える子だった可能性が残る。覚えるまでの期間は個体差が大きい |
| 5|吠えへの備え(防音の道具・しつけ教室への相談) | 何もしていない | 吠えなかったわけではなく、来客のチャイムやドッグランに入ったときには声が出ていた。それでも、防音の道具やしつけ教室を考えるほどの場面は来なかった。判断して省いたのではない。この行だけは、真似できるかどうか以前に、勧められる中身を持っていない |
| 6|おやつで覚えさせること | 指示ができたら「サラちゃん、お利口さん!!」と声をかけて褒めた | 声だけで進んだのはたまたま。褒めたから覚えたとも書けない。覚える時期は子によって大きく違う |
| 7|犬用の洗剤・柔軟剤/洗濯機の掃除を減らす工夫 | 洗剤は人用のものをそのまま使い、柔軟剤も入れなかった。サラの分だけを別の回にして週1回ほど回し、そのぶん増えた洗濯機の手入れは、減らす工夫をせずに引き受けた | 週に1度という回数は、洗濯機の容量とサラの汚れ具合で決まったもの。容量の小さい機種の家や、外で汚れて帰る日が多い子なら、この回数は当てはまらない。柔軟剤を入れている家庭を否定する意味ではない |
| 8|旅行先で寝る場所を分けること/休憩でそれ以上のことを足すこと | 宿では同じ布団で眠った。高速道路の休憩で車から降ろしてやったのは、トイレと短い散歩の2つだけ | 犬を入れてよい範囲は、宿ごとに決まっている。家と違う場所では眠れない犬もいる |
| 9|「良さそうだから足す」 | フードに何をどれだけ足すかは、決める前に病院で聞いていた | 足してよい量も種類も、その子の体質と持病、それに調理の仕方で変わる |
| 10|食事の回数を減らすこと | 回数と時間帯は動かさず、中身のほうだけを動かした。年代が進むごとに、頼んでいた吉岡油糧で配合を作り直してもらった | 1日に3度渡せるかどうかは、留守にする時間と家族の人数で決まる。ただし、その回数がサラに合っていたのかどうかを我が家は判定していない。回数がその犬に合うかは獣医師と決める部分 |
| 11|(足さないではなく、やめた行)夏の昼間の外出 | 早朝5時と20時以降の2つに寄せた。昼にあった用事は、朝か夜へ動かした | やめた理由は暑さで、やめられたのは我が家の生活がそれで回ったから。夏に外へ出す時間をどう組むかは、かかりつけと決める部分で、我が家の時刻がそのまま当てはまるわけではない。日中に外へ出る用事が動かせない暮らしでは、この行は使えない |
表は11行あります。内訳は、足さなかった・やらなかったことが10行と、いったんやっていたのをやめた行が1行(11行目の夏の昼間の外出)です。同じ場面で別のことをやっていたと書けるのは、足さなかった10行のなかで9行。書けないのが1行あります。それが5行目の吠えへの備えで、まったく声を出さない子だったわけではありませんが、備えが要る場面がそもそも来ませんでした。判断して省いたのではありません。この行だけは、真似できるかどうか以前に、勧められる中身を持っていません。
並べる前は、足さなかった行がそのまま「何もしなかった」の一覧になると思っていました。実際に埋めてみると、真ん中の欄がほとんど空きません。ただし、こちらを選んだから足さなかった、という順序では書けない行が混じります。1行目の台所の柵は、使わなかった理由そのものを残していないからです。表にあるのは、足さなかったという事実と、同じ時期に手が動いていた別のことで、そのあいだの因果ではありません。
買った側の一覧は、迎える前日までの7点として 迎える前に買った持ち物リスト|給水ボトルは即やめ、台は買い足した に収まっています。この記事はその裏返しで、同じ11年から足さなかったほうを集めています。
拾い食いの行は、道具を足さずにどう過ごしたかまで 我が家のコーギーの拾い食いは2歳で消えた|道具は足さず、視線と声かけで過ごした で広げてあります。
旅行先で足さなかったことは、車で3時間の移動から宿の夜まで 犬と車で3時間の旅行|昼のアスファルトが熱く、ずっと抱っこ が抱えています。
⚠️ 注意
いちばん右の列に犬について書いてある行は、迎えたあとでないと分かりません。そのあいだ足すか足さないかをどう扱うかは、体に関わる判断になります。かかりつけの獣医師に一度確かめてから決めてください。
足さないという選択にも、確かめる先があります。
迎える前に確かめられる条件は4行ぶんで、残る7行はサラの側にありました
いちばん右の列を、確かめる先がどこにあるかで割り直すと、2つに分かれます。ひとつは間取り・住まい・留守にする時間といった、家を見れば分かるもの。もうひとつは、暮らしてみないと分からない、その犬しだいのものです。11行を割ると、先に埋められる部分が家の中の事情だけという行が4つ(1・3・10・11行目)、犬の事情が入る行が7つでした。この7行のなかで、家の側の条件も混じるのが2行あります。7行目の洗濯機の容量と、9行目の調理の仕方です。8行目のように、宿ごとの決まりという、家でも犬でもない条件が入る行もあります。
この割り方は、11行を並べてから私が当てたものです。もとになった記事のどれにも、こう書いてあるわけではありません。
この4行は、迎える前に自分の家を見れば、判断に使える材料がそろいます。台所の作りも、床に手を入れられるかも、1日に何度ご飯を出せるかも、夏の昼間に外の用事を動かせるかも、犬が来る前に分かることです。残る7行は、材料そのものがその犬にあるので、暮らし始めてからでないと出てきません。吠えるかどうか、拾い食いが何歳で収まるか、声だけで覚えるか。どれも、迎える前に確かめる方法を私は持っていませんでした。
この差が効くのは、買い物のタイミングです。7行に当たるものを迎える前に外してしまうと、条件が揃わなかったときに手元に何もありません。4行に当たるものなら、家を見て出した買い物の結論は、迎えたあとも使えます。迎える前の予算を組むときも同じで、7行ぶんを先に脇へよけておけば、暮らし始めて要ると分かった行にその分を回せます。
買うかどうかで迷うとき、引っかかっているのが値段なのか、買わなかったせいで何か起きることのほうなのかで、先に見る列が変わります。値段の話なら4行のほうから、起きることの心配なら7行のほうから見ることになります。
腰の行に出てくる4つは 胴長短足の腰のために、家の中でやめたこと|11年つづけた4つの習慣、床へ敷いたときの範囲と金額は 子犬を迎える前にやった3つの準備|ブリーダー・室内対策・動物病院 に、それぞれ1本ずつ立っています。
食事の回数の行だけは、回数を動かさずに何を変えたかまで コーギーの食事は11年ずっと1日3回|中身だけを年代で変えた に丸ごと預けてあります。
吠えへの備えの行については、ペット可マンションの管理規約3つ|2頭まで・中型犬まで のほうを先に読んでください。備えなかったと書いてあるだけで、それを勧めてはいません。
📋 足すかどうかを決める前に見ておくこと
下の7つは、上の表の各行のもとになった記事の中から、読者に向けて書いてある確認事項だけを抜いて並べたものです。表の11行すべてぶんはありません。
- ☐ 台所に仕切りを置くかどうかは、間取りと、調理のあいだ犬をどこに置きたいかから判断する
- ☐ 拾い食い用の道具をそろえる前に、リードを持つ手の位置を縮めて、声が届く距離かどうかを見る
- ☐ 床そのものを替えられない住まいなら、家のどこで犬が急に向きを変えているかを見る
- ☐ 吠え声が心配なら、吠えない前提ではなく、声が出る前提の備えのほうを調べる
- ☐ おやつに頼るかどうかを考える前に、その日に渡している総量を数える
- ☐ 犬の分を別に洗うなら、槽に残る毛を落とす作業が増えるぶんも数に入れる
- ☐ 食事で動かしたいのが量なのか中身なのか回数なのかを、分けて言葉にする
11行のどれも、足す側を選んだ家庭を否定するために並べたものではありません。売り場にあるものは、たいてい誰かの困りごとから生まれています。我が家に困りごとが来なかった行が、そちらでは来ることもあります。
買い足そうか迷っているものが手元にあるなら、上の表でその場面の行を先に開いてください。右の列に間取りや住まいのことしか書いていなければ、判断に使える材料は今日そろいます。犬のことが書いてあれば、出てくるのは暮らし始めてからです。どちらの行でも、体に関わる線を引くところは、獣医師と一緒に決める部分として残ります。それがいつ集まるかが分かるだけでも、買う順番は変わります。
足さなかった、と書いてあることの意味を一つだけ補います。この11行は、我が家でそうなったという記録で、足さなくてよいものの一覧ではありません。しつけの指導でも、獣医師による助言でもなく、特定の商品や購入先を勧めるものでもありません。床材の金額は2009年に払った額で、いまの相場とは違います。何を足すか、いつ足すか、その子に合っているかどうかの判断は、かかりつけの獣医師にご相談ください(動物病院は公益社団法人日本獣医師会のサイトから探せます)。集合住宅で飼うときの決まりは物件ごとに違うため、管理規約は管理組合・不動産会社にご確認ください。本文に出てくる吉岡油糧は、我が家が11年お願いしていた先です。いまの取り扱いや料金がどうなっているかを私は見ていないので、公式サイトで確かめてください。1枚にまとめたのは2026年9月です。


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